溶岩がどんなふうに流れてきたか説明を受けています。場所は西湖の近くです。 |
溶岩標本はどんな鉱物が見えるか観察しています。 |
まさに青木が原樹海の中です。1200年前は、ハワイの溶岩のように真っ赤だったのかあと感心しました。 (写真撮影:小尾 靖) |
2009年4月4日(土)、数日前の天気予報では雨天の情報も出ていたが、久しぶりの好天に恵まれて、日大の高橋正樹さん、金丸龍夫さんを講師に地学教育 委員3名は、富士山・青木ヶ原に巡検にでかけた。地質学会で発行している「たんけんマップ」の第3弾制作を考えての巡検である。最近の知見では、今から 1000年前、青木ヶ原溶岩が噴出した頃、まるで、ハワイの火山の様相を呈していたというのである。ほんとうであろうか。桜上水に9時に集合し、中央道を 西に向かった。途中小休止をして、鳴沢の鉱物博物館には11時に着いた。東京から大変近い。道路もそんなに混んでいなかった
鉱物博物館の入り口には世界中から集めた美しい大きな結晶が並んでいる。「富士山のものではないよ」「いいんじゃない」いろいろ意見が出る。恐竜が溶岩に 飲まれて助けを呼んでいる展示物にも賛否両論がでる。目的は博物館ではなかった。その裏にある黒っぽい石の壁のようなところである。これは博物館を作ると きに少し手を入れてあるものの、純然たる溶岩露頭であった。ここで高橋講師から溶岩の観察ポイントを教わる。ハワイのアアとパホイホイの溶岩の構造が見ら れるという。なるほどすべすべしてホイホイと歩きやすいところがパホイホイ、ごつごつザラザラして歩くのが「ああ大変」なところがアア溶岩のようである。
昼食をはさんで、溶岩が一面に観察できるところに行く。だんだんと、ほんとうに溶岩の上を歩いているような感じになってくる。その後、コウモリ穴を見てか ら、青木ヶ原の樹海に行く。1000年以上前の溶岩が流れているようである。レーダーなどの最近の技術の発達を如実に感じる。最後は精進湖で、50年前の 久野久先生の解釈が変わってきたことを知る。ドキドキしてきた。最後は少し自然渋滞に巻き込まれたが、1日の巡検で青木ヶ原の溶岩について十分に理解でき た。この感動を「たんけんマップ」でどのように表現したら、多くの人に伝わるだろうか。私たちの力量が問われている。