蒜山高原の珪藻土層

 

写真:公文富士夫(信州大学理学部)
写真1

 


写真2

 

解説:
松江市で行われた第四紀学会2005年大会の帰途,8月29日に蒜山高原にある昭和化学工業(株)岡山工場の珪藻土採石場を見学させていただきました.この珪藻土層は蒜山原層と名付けられており,縞状のラミナの周期性が有名です(石原・宮田,1999).
石原・宮田(1999)で報告された露天掘りの位置よりも500mほど東側の新しい露天掘りの露頭でしたが,明瞭な縞模様の見える珪藻土層を観察することができました.縞模様は1-3mmの厚さをもつ淡緑色と暗緑色の層からなり,明瞭な下限境界をもつ暗色層から明色層までは1セットで1年に対応すると考えられています.
珪藻土層の上位には3,4mの厚さの砂礫層が重なり,その上部にATテフラが確認できました.ATテフラの上に1mほどの厚さの砂層と細礫層があり,そのローム層と黒色の土壌層が見られる.

参考文献:
石原与四郎・宮田雄一郎,1999,中期更新統蒜山原層(岡山県)の湖成縞状珪藻土層に見られる周期変動.地質雑,105,461-472.
蒜山原団体研究グループ,1975,岡山県蒜山原の第四系.地球科学,29,153-160,227-237.