意見・提言2020

 

「令和2年7月豪雨」による災害についての会長談話

令和2(2020)年7月に発生しました「令和2年7月豪雨」災害により犠牲になられた方々に心から哀悼の意を捧げ,ご冥福をお祈りします.被災者の皆様におかれましては,一日も早く日常生活を取り戻されることをお祈りいたします.

一連の豪雨では,熊本県南部,球磨川水系の氾濫により,流域の広い範囲で都市機能が麻痺し市民生活に大きな支障をもたらしたほか,浸水による犠牲者も発生しました.その後も福岡県,大分県,岐阜県,山形県,秋田県などで河川の氾濫が相次ぎ,各地で甚大な被害が生じました.また九州から東北に至る各地で,豪雨による土砂災害が多く発生しました.一部は民家を襲うなどし,多くの尊い人命が失われたことが報道されました.

災害の詳細については,今後の調査・研究結果を待つ段階ですが,災害の背景に,これら地域における地質学的な特徴が反映していることは言うまでもありません.今回,甚大な被害を被った地域は,例外なく過去に大きな水害を経験しています.気象現象はもとより,歴史的に治山治水は地域の地質特性とも密接に関係しており, これらを総合的に理解,解釈することが災害の予測と減災に必要不可欠です.近代・現代に日本列島の地理的・地形的形態が大変化したわけではなく,地質学的時間スケールの中では,同じ地域で同種の自然災害が繰り返し起きてきました.

高知市寺田寅彦記念館 石碑(撮影:坂口有人)

「天災は忘れられたる頃来る」という寺田寅彦の金言は, 地質学会会員の間ではほぼ完全に共有されていますが, 一般市民の間では3世代(国内移住が増えた近年では2世代かもしれません)を越えると過去の経験・記憶が伝達されなくなるのが普通です. 本学会は,学術研究の発展と最新の知見の普及・教育を推進し,多くの市民の皆様,そして関係諸機関と共に,最新の地質学的知見を活かして自然災害の予測と防災・減災方策を社会と連携して追求してまいりたいと思います.

今後,今回の豪雨災害に関する調査報告や研究成果については,学会公式サイト(http://www.geosociety.jp/hazard/) から,随時,発信してまいります.

一般社団法人日本地質学会
会長 磯行雄
2020年8月4日
 

令和2年度大学入試センター試験の地学関連科目に関する意見書

日本地質学会は、過去5年間にわたり、大学入試センター試験の地学関連科目の問題および得点調整に関して、それらが適正に行われているかを検討し、その都度、意見や改善に向けた要望を大学入試センターに申し入れてきました。本年に実施されました令和2年度大学入試センター試験(本試験)の地学関連科目に関して、以下のような意見を申し入れ致します。

2020年2月25日